GALLERY 301
大野 由美子 個展
Lorem Ipsum
2021.3.19 ~ 3.29
今回の個展「Lorem Ipsum」は大野由美子が2016年から開始したレーニン像を用いたシリーズを展開した作品の展示です。大野は近年ユートピアを題材としたドローイングや磁器の作品を制作しています。ユートピアとは16世紀にトマス・モアが掲げた架空の国家でありその理想的な国家はしばし社会主義国家と比較されます。レーニンは空想の中だけにあったユートピアを実現しようとした人物であることから、大野にとってレーニンとはすなわちユートピアのシンボル的存在です。ロシアにて3年間留学をした際にレーニンの像や肖像画が至る所にほとんど本来の意味を持たずに飾られているのを目の当たりにし、それは形骸化した夢物語を見ているようで大野に強い印象を与えました。この空洞化した理想、実存しないからこそ存在するユートピアをレーニン像と球体を組み合わせた作品の一連で表しています。展覧会のタイトルの「Lorem Ipsum」は出版、グラフィックデザインなどの諸分野において使用される典型的なダミーテキストであり、つまりは内容のない視覚的な文章です。その文章と今回の空洞化した理想を表した作品とを重ね合わせ今回の展覧会のタイトルとして引用しています。
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大野 由美子 Yumiko Oono学歴:
2003-2004年 グラスゴー美術大学にて2学期間交換留学(スコットランド) 2001-2005年 京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース 学士 2005-2007年 ハンガリー美術大学インターメディア学科、絵画学科 (ハンガリー) 2007-2008年 プラハ美術大学、絵画学科(チェコ) 2008-2010年 プラハ美術工芸大学大学院インターメディア学科 修士(チェコ) 2011-2012年 ベツァレル美術デザインアカデミー美術学部(イスラエル) 2015-2016年 サンクトペテルブルグ国立文化大学準備コース(ロシア) 2016-2018年 サンクトペテルブルグシュティグリツ国立美術デザイン大学大学院陶芸学科 優等修士(ロシア) 助成/奨学金/受賞: 2005-2007年 ハンガリー政府奨学金2年間 2007-2008年 文化庁新進芸術家海外留学生度200日研修 2008-2010年 チェコ政府奨学金2年間 2011-2012年 イスラエル政府奨学金1年間 2012年 朝日新聞文化財団 2015-2018年 ロシア政府奨学金3年間 2018年 「CAF賞」ファイナリスト コレクション: エラブガ国立歴史建築美術館所蔵(ロシア エラブガ) Kohler Co. コレクション所蔵(アメリカ ウィスコンシン) John Michael Kohler Arts Centerコレクション所蔵(アメリカ ウィスコンシン) レジデンシ―: 2008年 At Home Galleryにて1ヶ月間滞在(スロバキア シャモリン) 2011年 Meetfactoryにて3ヶ月間滞在(チェコ プラハ) 2015年 Gyeonggi Creation Centerにて3ヶ月間滞在(韓国 アンサン) 2017年 ISCPにて3ヶ月間滞在(アメリカ ニューヨーク) 2018年 MASS MoCAにて5週間滞在(アメリカ マサチューセッツ) 2019年 John Michael Kohler Arts Centerにて3ヶ月間滞在(アメリカ ウィスコンシン) 2019年 Retreatにて3日間滞在(アメリカ ニューヨーク) 2019年 St. Petersburg Art Residencyにて1ヶ月間滞在(ロシア サンクトペテルブルグ) 2019年 Taipei Artist Villageにて3ヶ月間滞在(台湾 台北) 2020-2021年 Paradise AIRにて2ヶ月間滞在 (松戸) 2021年 陶芸の森にて6ヶ月間滞在(信楽) 2021年 HI S A I芸術家の住む街プロジェクト(津) |