GALLERY 301
川尻 優子 個展
ガラス展
2023.10.6 ~ 10.16
- Statement -2021年より富山で2年間過ごし、そこで体験した景色をもとに制作した作品を展示します。加えて、今回の展覧会に向けて、新たに壁掛けの作品を制作しました。普段は一日のほとんどを屋内で過ごしていますが、部屋の中に差し込む陽の光にも、季節の移ろいを感じられます。時間によって変化する光と、それによってガラスの影や色合いが変化する様を、ゆっくりと愉しんでいただければ幸いです。
- Review -本展は川尻優子が今年の春に卒業した富山ガラス造形研究所で制作した大作1点と、地元兵庫に帰ってから制作した小品3点で構成される。いずれも1枚のガラスとパネルを組み合わせたもので、壁に掛けて鑑賞する形だ。ガラス部分は平皿のように薄く中央が窪んでおり、皿の底にあたるわずかな部分のみでパネルと接している。抑制された色味やマットな質感と相まって、空気を含んだ雪のひとひらのように軽やかな印象だ。しかし、もしかするとそれは本展が長い酷暑のあと、急に肌寒くなった10月に開催されたからかもしれない。夏に見れば感じ方も変わるのではなかろうか。それはこの作品で川尻が、外の空気感や光を部屋のなかに取り込むことを意図しているからだ。地元を離れて気候の違う富山で過ごした経験が新たなインスピレーションとなっている。
美術ライター 大瀬友美 川尻 優子 Yuko KAWAJIRI略歴
1992 兵庫県生まれ 2014 神戸芸術工科大学 先端芸術学部 クラフト・美術学科ガラスコース 卒業 2017-2021 神戸芸術工科大学 芸術工学部 アート・クラフト学科 実習助手 2021-2023 富山ガラス造形研究所 研究科 展覧会 2018 川尻優子 ガラス展(GALLERY301/兵庫) 2019 川尻優子・地下和栄・玉利一博 三人展(のばなArt Work in GINZA/東京) 川尻優子展(GALLERY301/兵庫) 2020 クラフト×神戸芸術工科大学(神戸阪急/兵庫) 川尻優子 小林紗世子 二人展 ガラスと日本画(GALLERY301/兵庫) 2021 川尻優子 ガラス展(GALLERY301/兵庫) 2022小林紗世子 川尻優子 二人展 絵とガラス(GALLERY301/兵庫) 富山市美術展インスタレーション部門トリエンナーレ公募展(旧小羽小学校/富山) 坂のまちアート in やつお 2022(八尾町/富山) 2023 富山ガラス造形研究所 卒業制作展 2023(富山市ガラス美術館/富山) |