GALLERY 301
芝﨑 由華 個展
ガラス展
2023.11.3 ~ 11.13
- Statement -私が表現しているのは「昆虫に潜む美」である。現在まで様々な虫をモチーフに制作を行ってきたが、特に美しいと感じるのはハエやアブ、コガネムシなど害虫に分類される虫たちだ。生き残るために洗練されたフォルムからインスパイアを受け、昆虫に潜む美に焦点を当てる。ガラスという、力強い流れを感じる素材を用いて昆虫を造形することで、小さな身体から放たれる強烈な存在感を示す。
- Review -昆虫は愛でられることもあれば、気持ち悪がられることもある。あるいは益虫として利用されたり、害虫として駆除されたりする。その扱いの違いはすべて人間の都合で決まることだ。芝﨑由華は害虫とみなされる昆虫の体をガラスで再現することによって、その姿を人間の価値判断から切り離して見つめ、自然を生き抜くために獲得された造形美を発見しようとしている。会場中央に置かれた2点の作品では両手で抱えるほどの大きさに昆虫の体を拡大し、本物を肉眼で見るだけではわからない細部まで作り込んだ。壁沿いに並ぶ小品では、コガネムシが球体にしがみつき登ろうとする姿を表現した。芝﨑の昆虫は写実的だが、ガラスのしっとりした質感や柔らかな影は本物の硬く乾燥した印象とは異なっており、虫嫌いの鑑賞者も形そのものに目を向けやすくなっている。
美術ライター 大瀬友美 芝﨑 由華 Yuka SHIBASAKI1996年生まれ
2019年3月神戸芸術工科大学 芸術工学部 アート·クラフト学科 卒業 2021年3月神戸芸術工科大学 大学院 芸術工学研究科総合アート&デザイン専攻科 修士課程 修了 【主な展示·受賞歴】 2020年4月 虫ん展 舎利殿 2021年3月 「OUR RECORD 芝﨑由華·沖中彩花 2人展」 GALLERY北野坂 2021年4月 第59回日本現代工芸美術展 現代工芸新人賞 受賞 2022年2月 日展 第9回日本美術展覧会 入選 |