GALLERY 301
高原 秀平 個展
沸騰する(宇)宙に杭
2023.7.14 ~ 7.24
- Statement -「沸騰する(宇)宙に杭」
自宅の横を流れるよく舗装された川 その少し上流 脱げにくいサンダルを信頼しざぶざぶ対岸へ 挟まった小石は痛い こちら腰掛けてどうぞ、と話す岩に陣取り荷を下ろす ちょいと失礼、横切るは蛇 石の上で少し溶けた鴨 キリッと冴えた水 砂も、石も、丸太も、岩も、 ゆっくりゆっくり河口へ運ぶ 水面に落ちる木漏れ日だけは踊りながら遡上する - Review -高原秀平の抽象画は光の粒が弾ける森林を思い起こさせる。よもやこれらの作品が、道路脇の草や住宅地を流れる護岸整備された川からインスピレーションを受けたものだとは誰も思うまい。ところが高原は都市部を離れて非日常的に体験する自然よりも、日常の延長線上で出会うささやかなものにこそ「大自然」を感じるのだと言う。始まりも終わりもないオールオーバーな描き込みはキャンバスの面積を超えた広がりを感じさせ、ところどころに残した余白や黒く塗り潰した部分、縦横無尽に走らせたクレパスの線といったいくつかの工夫は奥行き感の増幅に成功している。足もとの取るに足らない雑草からスケールアップした高原の森林は、梅雨の湿気やうだるような暑さを一時忘れる爽やかな風を運んでくれるだろう。
美術ライター 大瀬友美 高原 秀平 Shuhei TAKAHARA1990年 6月 神戸市生まれ
2014年 3月 京都精華大学 芸術学部 造形学科 洋画コース 卒業 2014年 2月 個展|アートスペース虹(京都) 2014年 2月 グループ展「ビューティフル・ユニバース展」|明石市立天文科学館(兵庫) 2014年 11月 グループ展「atelier9 - open studio exhibition」|atelier 9(京都) 2015年 10月 グループ展「花山天文台Galleryweek」|京都大学大学院理学研究科附属天文台 花山天文台(京都) 2016年 11月 グループ展「花山天文台Galleryweek-観測のレコード-」|京都大学大学院理学研究科附属天文台 花山天文台(京都) 2015年 4月 個展「台風の眼」|cafe & gallery etw(京都) 2016年 8月 個展「望遠鏡と顕微鏡」|cafe & gallery etw(京都) 2017年 1月 グループ展「SPOT」|ギャラリー島田(神戸) 2017年 8月 二人展「メエルシュトレエム」|あをば荘・float(東京) 2017年 10月 個展「雨景山水」 | gallery島田(神戸) 2018年 3月 二人展「高原秀平/前田正憲 展」|飯田弥生美術館ギャラリー(東京) 2019年 2月 個展「エーテルと細胞膜」|gallery301(神戸) 2019年 3月 二人展「高原秀平/前田正憲 展」|飯田弥生美術館ギャラリー(東京) 2019年 4月 グループ展「ゆらゆらり」|Gallery島田(神戸) 2019年 7月 グループ展「深海の照らし方」|2kw Gallery(滋賀) 2019年 7月 MI gallery 主催MIGAA2019 に於いてMI gallery 賞 受賞 2019年 7月 グループ展「わたしの万有引力」|Gallery島田(神戸) 2019年 11月 二人展「みちくさの栞」|大垣書店高野店(京都) 2020年 2月 個展「月暈の隙間」|gallery301(神戸) 2020年 9月 個展「ラグランジュ点-Lagrange point(s)-」|京都精華大学 本館ギャラリー(京都) 2020年 12月 MI gallery主催young creators award 2020に於いて優秀賞・ホルベイン賞・オーディエンス賞 受賞 2021年 2月 絵画作品1 点を企業「丹青社」オフィスへ納品 2021年 4月 絵画作品2 点を神戸市の施設「anchor 神戸」へ納品 2021年 5月 個展「日溜まりのモザイク」|gallery301(神戸) 2021年 8月 アートフェア「WASABI ART MARCHE in KOBE」へ出品 |阪急百貨店三宮(神戸) 2021年 9月 アートイベント「Any kobe with Atrs 2021」出品(神戸) 同イベントに於いて川田画廊賞 受賞 2021年 10月 アートフェア「Art Live Kobe 2021」へ出品 |ANAクラウンプラザホテル神戸(神戸) 2021年 11月 絵画作品3点を医療施設「小倉第一病院」へ納品 2022年 5月 グループ展「CREWS」|Gallery島田(神戸) 2022年 6月 個展「鳥が星を巡るとき」|gallery301(神戸) |