GALLERY 301
藤原 志保 個展
Line - 十牛へのプロローグ -
2015.10.16 ~ 10.26
私は、幼少時より手がけた、書、水墨画、抽象絵画などを経て、今は、墨と和紙の素材を現代美術に展開し空間造形に挑戦しています。パリやニューヨークでの個展では、墨色の美しいブラックに感動の言葉をいただき、油彩にはない墨色を感じていただきました。和紙に浸透した墨色は、独特の深い色です。アジア、日本の誇れる素材です。
約40年前神戸での個展時、祥福寺の住職、河野太通老師がご来観くださり、禅の教え、十牛図の話をお聞きして、現代美術に表現したいと、ずっと考えていたのを、今回充分に理解できているとは思いませんが、序章作品として発表いたします。 今年8月中旬、インターネットで、老師が、本山妙心寺第33代管長に就任されその後、日本仏教会会長になられたのち、現在は臨済宗妙心寺派の禅刹で盤珪国師の根本道場として寛文元年(1661年)姫路市網干区浜田の広大な敷地に創建された龍門寺(りょうもんじ)の御住職で居られることを知り、この度十牛図について40年ぶりに相見(面会)賜る貴重な機会をいただきました。私には難解な十牛図でしたが解りやすく、お話賜り、有り難く拝聴させていただき個展を迎えることが出来ました。 シンプルなラインはコラージュの技法を用いて表現し、墨色の、深い美しさを表現しました。和紙を刃物で一気に切る、それは外科医が皮膚にメスを入れる、生きる覚悟の気でもあります。十牛図の物語を充分理解できていないかと思いますが、これを機に学んで、精進を重ねてゆきたく思います。土佐紙、杉原紙、名塩紙、石州紙、中国墨等を使用しています。 是非、多くの方にご覧いただき、良い学びの機会としたく思っております。 ※ 十牛図(じゅうぎゅうず)は、禅の悟りにいたる道筋を牛を主題とした十枚の絵で表したもの。( Wikipediaより ) |
藤原 志保
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