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GALLERY 301

中井 浩史 個展

カオの出自
Origin of Form

2024.3.1 ~ 3.11

- Statement -

​カオはイメージではなく、あえて言うならばユーモアである

- Review -

本展は「カオの出自」と題が打たれている。ここでの「カオ」の意味を、乱暴だが作品表面の線や形のこととするならば、カオの出自は当然画家の頭の中にありそうだ。ところが中井浩史の制作は設計図ありきではないという。キャンバスや紙にあるシミやシワを道標としてそれらをつなぐ線を引き、始点に戻って来る。その状態からさらに目印となる部分を見つけて線を加えたり、線に囲まれた内側あるいは外側を塗ったりしていく。そうして画面全体が「均衡状態」に達したときが作品の完成だそうだ。偶然に依拠すると同時にシステマティックな手法である。

最終的に画面にはあやとり紐を無作為に落としたような線があり、色数は2つ程度。画面上に何があるか把握するのに時間はかからないが、見尽くしたとは言い難い感覚に陥る。一般的な絵画であれば構図が視線をガイドしてくれるが、中井の作品には始点も終点もなく、ハイライトと言える部分もない。観る者の視線は作品を離れがたく彷徨い続けるか、あるいは全体をぼんやりと眺め立ち尽くすことになるだろう。

美術ライター 大瀬友美

中井 浩史 Hiroshi NAKAI

■ HP
http://jydkr594.wixsite.com/works-hiroshi-nakai


■ Profile(1999-2016)
- Solo Exhibition -
2016 Gallery Ao <Curving Drawing>
   Street Gallery <Curving Drawings on Canvas 2016>
2015 Gallery Ao <draw-ing>
2014 Gallery 301 <BORDERLAND>
2013 Gallery Ao <evaporation>
2012 Gallery 301 <そのイメージは無重力の旅をする>
2011 Gallery Ao
2010 Gallery Ao
2009 Gallery H.O.T
   Gallery Ao
2008 ギャラリー島田 deux
2006 ギャラリー汲美
   ギャラリー島田 deux
   アートスペース虹
2004 信濃橋画廊 apron
   Gallery H.O.T
   ギャラリー島田
2003 Gallery GustoHouse <現代アートに求めるもの、求められるもの 中井浩史展>
2002 西脇市岡之山美術館アトリエ
2001 ギャラリー島田
2000 ギャラリー北野坂・ハンター坂
1999 Gallery GustoHouse
 
- Group Exhibition (selected) -
2016 Gallery 301 <中井浩史×黒瀬剋>
2015 2kw gallery <はじまりの応答>
2014 上七軒グローバル京町家 <cell>
2013 Gallery 睦 <Translucence/Transparency>
2011 Gallery H.O.T <H.O.T Show 2011>
2010 大阪現代美術センター <Gallerism 2010ー画廊の視点ー>
2008 ギャラリー開 <絵画ー平面を巡る思考ー>
2006 ギャラリー開 <表現の位相ー6人の方法ー>
2005 Gallery H.O.T <アートがもたらすプラセボ効果Ⅲ>
2002 海岸通ギャラリーCASO <現代美術インディペンデントCASO展>

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