GALLERY 301
中井 浩史 個展
ドローイングと紙
2022.6.17 ~ 6.27
- Statement -「ドローイングと紙」
薄い紙に絵具で描く。 ほどなくして紙は縮んだり、丸まったり、皺が寄ったりする。 唐突に実体的な「もの」として己を主張しはじめる紙をどのように見るのか。 今回の個展「ドローイングと紙」では、紙を描画のための基底材として扱うのではなく、 ドローイング(=イメージ)と紙(=もの)とのあやうい接点をあらためて探ろうとしている。 例えばそれが「紙に描かれたドローイング」ではなく 「描かれたドローイングと紙」として見えることが大切なのである。 - Review -「何で」描くかということに比べて、「何に」描くかが問題になることは少ない。だから「油絵」、「鉛筆画」という言葉はあっても、「キャンバス絵」、「紙画」とは言わない。支持体は顔料を定着させるためにあり、黒子のように存在しないも同然の扱いを受ける。ところが、中井浩史の作品においては、紙は表現の主役として一役買っている。それは単に紙のオブジェをつくるということではなく、展覧会タイトルが示すとおり、ドローイングかつ紙であることの試みである。むしろ、紙がリーダーで、ドローイングがフォロワーと言ってもよいだろうか。中井のドローイングは紙の染みなどをつないで描かれており、紙に導かれて生まれたものだからだ。また、「紙」と一口に言っても、中井が用いる紙はコピー用紙、トレーシングペーパー、雑誌など多種にわたる。さらに破れ、シワ、反り、透ける光などが紙それぞれを特徴づけている。いまや紙は、無名で顔の見えない黒子ではなく、表情豊かな表現者である。
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中井 浩史 Hiroshi NAKAIProfile(1999-2022)
Solo Exhibition 2021 2kw gallery <かたちと脈動> 2019 city gallery 2320 <Drawings, Paintings, and Other Things / ドローイング、絵画、その辺りのもの> 2018 Gallery Ao <Drawing possibilities of lines right here.> 2kw gallery <裸の皮膚> Street Gallery <Curving Drawing in Street Gallery> 2017 Gallery Ao <Curving Drawing> Gallery 301 <Curving Drawing> 2016 Gallery Ao <Curving Drawing> Street Gallery <Curving Drawings on Canvas 2016> 2015 Gallery Ao <draw-ing> 2014 Gallery 301 <BORDERLAND> 2013 Gallery Ao <evaporation> 2012 Gallery 301 <そのイメージは無重力の旅をする> 2011 Gallery Ao 2010 Gallery Ao 2009 Gallery H.O.T Gallery Ao 2008 ギャラリー島田 deux 2006 ギャラリー汲美 ギャラリー島田 deux アートスペース虹 2004 信濃橋画廊 apron Gallery H.O.T ギャラリー島田 2003 Gallery GustoHouse <現代アートに求めるもの、求められるもの 中井浩史展> 2002 西脇市岡之山美術館アトリエ 2001 ギャラリー島田 2000 ギャラリー北野坂・ハンター坂 1999 Gallery GustoHouse Group Exhibition (selected) 2022 Sou JR總持寺駅アートプロジェクト 2016 2016 Gallery 301 <中井浩史×黒瀬剋> 2015 2kw gallery <はじまりの応答> 2014 上七軒グローバル京町家 <cell> 2013 Gallery 睦 <Translucence/Transparency> 2011 Gallery H.O.T <H.O.T Show 2011> 2010 大阪現代美術センター <Gallerism 2010ー画廊の視点ー> 2008 ギャラリー開 <絵画ー平面を巡る思考ー> 2006 ギャラリー開 <表現の位相ー6人の方法ー> 2005 Gallery H.O.T <アートがもたらすプラセボ効果Ⅲ> 2002 海岸通ギャラリーCASO <現代美術インディペンデントCASO展> |