GALLERY 301
田河アパッチ 個展
OF
2024.2.2 ~ 2.12
- Statement -「 OF 」
前回に引き続き、鉄から剥がれ落ちる酸化被膜(Oxygen Film)という素材で平面表現しています。 - Review -本展は田河アパッチが「酸化皮膜」を貼り付けた作品で構成する2度目の個展だ。1年前の作品では酸化皮膜が画面のほぼ全面を覆っていた。ゴツゴツとしたマチエールと、下に塗られた原色やグレーの絵の具との対比で引き立てられた黒が特徴的で、ひとつの塊がどっかと据わっているようだった。対して今年の作品は描く形も色も自由だ。重さや硬さばかりではなく軽やかさや滑らかさが感じられる作品もある。ほとんど色が使われていない数点においても、酸化皮膜を貼り付けたキャンバスを「切る」という工程が入っているために鉄らしさが軽減している。昨年獲得したマチエールの魅力はそのままだが、鉄が鉄そのものとして迫ってくる感じが抑えられることで、描かれているのは何かと想像力を働かせる余地が多く生まれた。
美術ライター 大瀬友美 田河アパッチ Apache TAGAWA1989 鹿児島県奄美市生
2012 神戸芸術工科大学卒 個展 2012~2015 「in the room」 2016~2017 「鉄が故」 GALLERY301 神戸 その他神戸を中心にグループ展多数 2012 現代美術の新世代展 極小美術館 岐阜 |