GALLERY 301
芝崎由華・安田知司・蔦本大樹 3人展
2022.9.30 ~ 10.10
- Statement -芝﨑由華 Yuuka Shibasaki
作品のモチーフは「虫」。ガラスという透明感あふれる美しい素材と、ガラスに力強い流れを与えることができる鋳造技法を用いる。昆虫が持つ脅威的な造形からインスピレーションを得て、自身が美しいと感じる形を指先から導く。「虫」の潜在的な魅力を引き出し、気がついていなかった世界を発見する作品を制作している。 安田知司 私はデジタル画像を構成するピクセルを触覚感覚として認知できるほどの大きさまで拡大した作品を制作しています。絵具をのせて色面を作り、その結果、向こう側に朧げな図像が浮かび上がるという過程をたどる事は視覚する世界を確かめていく作業であり、また出来上がった作品を眺めることは視覚する世界の曖昧さを確かめる作業です。その時間を繰り返し行うことによって私は見えるということを理解することに近づけるのではないか、あるいは見ることを考え続けられるのではないかと思い、制作に挑んでいます。 蔦本大樹 Daiki Tsutamoto 「生命力の形」をテーマとし、 主に生物をモチーフに作品を展開している。太古から人は生物が放つ特別な力に魅了され、 その姿を模したさまざまなモノを生み出してきた。検索すればあらゆる生物の情報が手に入る現代では 生物への憧れや恐怖が薄まり、 一種のキャラクターとして消費されているように感じる。先人が感じ取っていた純度の高い生命力とは どんな形をしていたのか。意識を過去へタイムスリップさせ、 生物への憧れを形にする。生命に刻まれた時間やにじみ出すオーラを可視化し、 目に見えない力の存在を読み解く。 - Review -芝崎由華は気持ち悪がられたり、取るに足らないことの例えにされたりする虫をガラスで表現している。特に目を引くのは虫の頭部のみをかたどった作品で、このフォーマットは偉人や貴人を後世に伝えるために作られる胸像に類似している。
安田知司はイメージを粗いピクセル画に置き換えて描き、イメージと物質の狭間にある知覚を問題にしている。さらに厚塗りのマチエールは触覚に訴えてくる。視覚もそれ以外の感覚もデジタル化可能な現代で「リアル」が何かを問うている。 蔦本大樹は古代生物の化石や遠い祖先の遺物にインスパイアされた金工作品を手掛ける。過去の事物をモチーフにする一方で、緻密に加工された金属は文明の発達を印象づけ、さまざまな時間軸が絡み融合するSF的な世界観を作り出している。 |
芝﨑 由華 Yuuka Shibasaki1996年生まれ
2019年3月神戸芸術工科大学芸術工学部アート·クラフト学科 卒業 2021年3月神戸芸術工科大学大学院芸術工学研究科総合アート&デザイン専攻科 修士課程 修了 【主な展示·受賞歴】 2020年4月 虫ん展 舎利殿 2021年3月 「OUR RECORD 芝﨑由華·沖中彩花 2人展」 GALLERY北野坂 2021年4月 第59回日本現代工芸美術展 現代工芸新人賞 受賞 安田 知司2008 京都嵯峨芸術大学(現·嵯峨美術大学) 芸術学部 造形学科 油画分野 卒業
2022 あまがさきアート·ストロール in A-Lab「Enjoy!」/あまらぶアートラボ「A-Lab」/兵庫 2021 紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2021/グランフロント大阪 ナレッジキャピタル/大阪 (グランプリ受賞) 2021 Solo exhibition「Landscape before being named」/GALLERY wks./大阪 2020 ART in OFFICE “SESSEN”/FM802·FM COCOLO本社/大阪 2020 FOCUS -FOUR PAINTERS- Various Artists/TEZUKAYAMA GALLERY/大阪 2020 real SOU#4 時の戯れ/茨木市本町センター/大阪 2018 シェル美術賞展/国立新美術館/東京 (入選) 2018 ARTISTS’ FAIR KYOTO 2018 京都アートラウンジ/HOTEL ANTEROOM KYOTO/京都 |